ソフトデニムのジーンズに黒いインナースーツ、その上にクリーム色の前開きの半袖シャツを合わせた恰好だ。

 下はカーゴパンツだが、ベリルの影響でダグラスも似たような恰好をしてしまう。

 思えばダグラスは現在二十六歳、外見だけならベリルをすでに通り越していた。

 ダグラスの身長は、最終的に百七十八センチまでになった。

 時々、同じ仕事になるベリルを見下ろして少しの優越感を覚えるが、ベリルの存在感にはどうしたって敵いそうにない。

 ベリルは駆け寄るダグラスに目を細めた。

 五年間ではあったが、人の成長というものをこれほど長く間近で見ていた事はない。

 取り残されていく感覚をベリルが初めて感じたのはいつだったろうか。