「まあ、いつか会えるよ」

「そうだといいけどなぁ」

 同じ歳のアキトは日本人だけあって、ダグラスよりは若く見える。

 赤茶けた髪は今のダグラスのように後ろ髪が少し長いためゴムでまとめていた。

 ダグラス本人は知らない話だが、彼には「神の愛で子」という面白い通り名が付けられている。

 これまで二年以上に渡り、ベリルがそばに置いて育てた者はダグラスただ一人だ。

 そのせいかどうかは解らないが、人を小馬鹿にする態度は皆が納得してしまうほどである。

 しかしダグラスは憎まれる事もなく、むしろ可愛がられている。

 それだけの魅力を持っているのだろう。

 加えて、己の外見を余すところ無く活用している。

 強(したた)かに、時には狡猾(こうかつ)に、生き抜く術(すべ)を役立てこれからも学んでいくことだろう。