クラウ・ソラスの輝き

「よろしく」

 躊躇いながらも手を握り返し、どこか期待しているようなアキトの眼差しに怪訝な表情を浮かべた。

「なあ、今いくつ?」

「え、二十六だけど」

「俺と同じだな」

 嬉しそうに応える青年にダグラスはますます眉を寄せた。

「俺、日本人なんだ」

「へえ、そう」

 関心も無く応え、到着した飛行機に乗るべく搭乗口に足を向ける。

「仲良くしようぜ。若者同士さ」

 アキトは後ろから追いかけて会話を続け、屈託のない笑顔が降り注がれる。

 そんなアキトにダグラスは目を据わらせた。

 今までにも面識のない者が親しげに声をかけてきた事があったが、ダグラスはその理由をよく知っている。