クラウ・ソラスの輝き

 目当ての物を手に入れて路地裏を出ると丁度、ダグラスも店から出てくる所だった。

 少年は衣類の入った紙袋を後部座席に積めてベリルにカードを返す。

 エメラルド色をしたドラゴンのホログラムが入ったカードはベリル専用のカードだが、少額ならダグラスも使えるように設定してある。

 ふと、いくつかある紙袋の一つにベリルが眉を寄せた。

 さほど高価という訳ではないブランド店のものがある。

「たまにはそういうのも着なよ」

 呆れて応える。

 目立たなくて装備の邪魔をしない服は構わないけど、もう少しは着飾って欲しい。

 自分が買い物を任された時は半ば強制的にそれらをベリルに着せるようにしていた。