一度も会ったことはないけれど、父の顔だけは写真で知っている。

 確かに驚くほどそっくりだった。

 父を知るハンターたちに話を聞くと「尊敬出来る人物だった」と語ってくれる。

 誇れる父だったのだと嬉しかった。

 ダグラスはローランドの事でそれなりに強くなった。

 今では、仲間が倒れても躊躇うことなく次の行動に移行できる。

 躊躇うことで及ぼす危機を考えれば止まってはいられない。

 戦闘中に起きなくなったフラッシュバックは、日常生活で僅(わず)かだがダグラスの胸を痛めることがあった。

 その痛みも、自分が生きている証だと思えば付き合っていける。

 ベリルは、完治することは無いと言っていた。

 自分なりの付き合い方を学ぶことが「治った」ということになるのだろうとダグラスは推測する。