ダグラスは大学生活を楽しく過ごし、二年で卒業を考えていたが結局は三年を要した。

 ハイスクール時代に仲良くなったハリーとは今でも友達だ。

 時々、家を訪れてはベリルの言葉に目を輝かせている。

 あと五年もすればベリルが歳を取らない事に気が付くだろう。

 ダグラスはそれに、多少なりとも気を揉んでいる。

 しかし、ハリーならきっと受け入れるだろうという不思議な予感はしていた。

 大学を主席で卒業したダグラスを勧誘する企業は多かった。

 しかし、彼が勉学に励んでいたのは少しでもベリルと張り合うためのものである。

 それでもベリルに敵う気がしない、悔しいが仕方がない。

 ダグラスは自分の顔を見て時折懐かしい目をするベリルに、それほどに父親のセシエルとの絆は深いのだと身に染みるほど感じた。