──それでも俺は、傭兵になろうと思う。

 ベリルもそれに反対はしない。

 ただ覚悟を決めろということなのだろう。

 途中で止めることは悪いことじゃないし、怒られもしない。

 しかし、生半可な気持ちで成り立つ仕事でもない。

 決めるのは自分自身だとベリルはそう教えてくれたから、俺は自分の道を選んだ。

 これが本気でなければ、きっとベリルは反対していただろう。

 ベリルを騙すことなんて出来る訳がない。

 しれっと心を見透かして、気がつけば突きつけられている。

 それを予防するには、よく考えてベリルに嘘は吐かないことだ。

 変に嘘を吐いて、あとで醜態を晒すなんてことは勘弁したい。

 そう思えば、上手い嘘の吐き方を学んでいたのかもしれない。

 それでも、ベリルに嘘は通用しないけれど。

 時々、育ての親のことやローランドのことを思い出す。