*天使の考察



 あれから一ヶ月が経ち、ダグラスの日常は落ち着きを取り戻していた。

 ベリルはきっと、あの戦いで現実と直面させたんだとダグラスは考えていた。

 まだ傭兵に対して格好いい憧れを抱いていた心の奥を見透かして、戦いなど綺麗な訳がないと見せつけられたような気がした。

 そんなことは分かり切っていたはずなのに、いざ目の前にすると身がすくんだ。

 これより酷い状況なんて、これからいくらでも出てくるんだろう。

「お前はそれを受け入れることが出来るのか」と問われているようにも思えた。

 自分が経験したものよりも残酷なことが待っている。

 改めてそのことを考えさせられた。