クラウ・ソラスの輝き

「こいつ殴っていい?」

 ぼそっと発したノリスにベリルは肩をすくめる。

 オルソンは豪快に笑い、大きな体を折り曲げてサティムを鋭く見やった。

「違うね。ベリルだから俺たちは命を張れるんだ」

「なに?」

 男が周囲を見回すと、彼らの表情はその言葉が当然のように笑みを浮かべていた。

「言いたい事はそれだけか」

「うっ──」

 感情の見えないベリルの表情に血の気が引く。

 殴られた訳でも、罵倒された訳でもないのに、えもいわれぬ絶望感がサティムを襲った。

「知らせなくていいのか?」

 ベリルはオルソンの言葉に、険しい視線を工場の外に向ける。

「放っておけ。どうせ見ていただろう。勝手に回収に来る」

 そう言って周囲を確認するように見回した。