クラウ・ソラスの輝き

 いくつも銃口が向けられ、ふてくされたようにしゃがみ込んでいるダークグレーの瞳が目の前に立つ影を見上げた。

 サティムはその影を苦々しく睨みつける。

「貴様か。化け物め」

 男の悪態にさして興味を示さず、目線を合わせるようにベリルは膝を曲げる。

「顔を合わせるのはこれが初めてだな」

 そんなベリルに男は奥歯を噛みしめ、さらに鋭い視線を刺した。

 ある程度裏の世界を生きていれば自分にとっての危険人物が解ってくる。

 ベリルという人物に注意はしていても、その動きを逐一把握出来はしない。

 大抵はこうして手遅れになる。

 それでも負けた悔しさを押さえきれずに身を乗り出し、

「貴様は死ぬことがない。だからそうやって平然としてられるのだ。周りを見てみろ! 一体、何人が死んだと思っている。貴様は化け物だ!」

 最後のあがきなのか、鼻息荒く捲(まく)し立てた。