クラウ・ソラスの輝き

「右から攻めろ」

 ベリルはそれを視界に捉えながら指示を与える。

 戦いは待ってはくれない。

 これ以上、仲間を犠牲にする訳にはいかない。

「うそだ……」

 眼前の出来事を認められず、転がっているローランドの胸ぐらを掴んだ。

「ベリルと対立しても死ななかったじゃないか! なんでっ──あんな奴に殺(や)られるんだよ!」

 どうして助けたりなんかしたんだ。

 助けたって国の利益になんかならないじゃないか。

 大して親しくもない人間をなんで助けるんだよ。

「ダグラス」

 ベリルの手が背中に触れると、ダグラスはその手を振り払って声を荒げた。

「なんとかしてよ! ベリルは怪我の治療も出来るんじゃないか!」