クラウ・ソラスの輝き

「行けるか?」

 ダグラスは数秒ほどその無骨な顔を見つめたあと、ニヤリと口角を吊り上げた。

「とうぜん」

 ライフルを掴み足早に戻っていく。

 多分みんなこうなる事は解っていたんだ。

 だけど、これ以上の数は増やせなかった。

 誰も死にたい訳じゃない、だから必死に生きようと戦ってる。

 ──戦場に戻ると、先ほどよりも仲間たちが包囲を狭めていた。

 見回して、ライフルのスコープを覗いているベリルを見つける。

 狙いを定め、引鉄(ひきがね)を引いた先の敵が倒れ込んだ。

 それに警戒してか、敵の体勢が低くなる。

 ベリルは口の中で舌打ちをしてライフルを投げ置いた。

「五分でケリをつける」

 鋭く視線を宙に移し、ひと呼吸してヘッドセットを指で軽く押さえる。