「これが」

 これが──現実なのか!

 戦いに大義名分などありはしない、そこにあるのは生と死だけだ。誰が生き残るかなんて解らない。

 死だけが全てに平等なのだと思い知らされる。

 未だ死人は少数ながらも、このさき増える可能性は充分にある。

 だめだ、目を背けるな。現実から逃げちゃいけない……。

 ベリルの作戦ミス? 違う、ベリルだからこれで済んでるんだ。

 住人たちに被害が及ばないように、仲間たちが必死に戦っているんだ。

 傷つかなくて済む者を護ること、そうでなければ自分たちのいる意味が無い。

 そのために、仲間たちはいま戦っているんだ。

「ダグ」

 呼ばれて目を向ける。