クラウ・ソラスの輝き

 金属製の扉が見えるが、一カ所だけのはずがない。

 さしもの、黒い迷宮といったところか。

 うかつに踏み入ればどうなるかは目に見えている。

「俺たちが先に突入する」

 ワイトが工場に親指を差し、眉を寄せるベリルに苦笑いを返す。

「そのつもりでBを編成したんだろう」

「そうだ」

 工場の仕組みに気付いた以上、踏み込むためのそれなりの編成はしていた。

 しかし、それがどれほど危険なのかも重々承知している。

 ワイト自身、レンジャーとしても優秀だ。

 ベリルは彼の能力を買っている。

「……頼む」

 しばらくワイトと見合い、その方法しかないのならばと彼の申し出を呑んだ。

 躊躇っている時間はない。