クラウ・ソラスの輝き

「大丈夫?」

「大丈夫なものか」

 駆け寄ったダグラスに眉を寄せ、口から流れている血を手の甲で拭った。

 抵抗し続ける彼らへの最後の脅迫──そのための“駒”として監視塔からの狙撃をそのままにした訳だが、相変わらず思い切った事をするとダグラスは呆れて溜息を漏らした。

 仲間たちもそれに苦笑いを浮かべる。

 不死だとは知っていても、目の前で直に見た仲間の数人は開いた口がふさがらない。

 戦闘が長引けば工場周辺の危険が増大するだけでなく、こちらの被害も大きくなる。

 手っ取り早く戦意を喪失させるには実に効果的だった。

 心臓を撃ち抜かれて思ったほどの出血量ではなかったのは、驚異的な治癒能力のためだろう。

 元々、一般人に比べればやや高かった代謝機能は不死になった事で飛躍的な向上を遂げた。