クラウ・ソラスの輝き

「ベリルは気付いてるよ」

 同じく様子を窺っているダグラスが応えて、ベリルの指示に従うように促した。

「警戒する必要は無い。我々は──」

「ベリル!」

 響く銃声がベリルの胸を貫き、何かに突き飛ばされたように体が一瞬びくりと強ばる。

 仲間は口々に名を呼び、敵は喜びに手を上げたが次の瞬間、その表情は一変する。

「おい、うそだろ……」

「命中したはずだ」

「どうして死なない!?」

 倒れないベリルにその目は大きく見開かれた。

 その数秒後、監視塔にいた人間はこちらの狙撃で落ちていく。

 ベリルは血のにじむ胸を押さえ、ニヤリと笑うと敵は恐怖でライフルとショットガンを手から落とした。

 あちこちでガシャガシャと外側の制圧完了を知らせる音が響く。