クラウ・ソラスの輝き

「そのまま待機」

 指示をして、ゆっくりと前に進む。

 当然のごとく敵はベリルに銃口を向ける。

「これ以上の抵抗は無駄だと感じているだろう。意味のない殺し合いはこちらの望む処ではない」

 男たちは互いに顔を見合わせ、本当に殺されはしないのだろうかと小声で話し合った。

 しかし、自分たちがしてきた事への自覚があればこそ、ベリルの言葉は甘い誘惑のようにも思えて逆に彼らの恐怖をかき立てる。

「だ、黙れ!」

「そんな嘘を誰が信じると思うのか!」

 口々に声を上げ、武器を握る手が微かに震える。

「ベリル、狙われてるぞ」

 トラックから様子を窺っていたオルソンが監視塔にライフルを持った男を見つけた。

 今にも引鉄を引きそうだ。