クラウ・ソラスの輝き

 ざっとだが、外にいるのはおおよそ三十人ほどか。

 ならば、残りの約四十人は工場内となる。

 あまり時間をかけたくはない。

 工場の裏手にまだDチームの数人がいるはずだと、その方向を一瞥する。

「ヨアヒム、二手に分かれて左右から攻撃」

<了解>

 少しずつ包囲を狭めていく。

 敵も敗北の気配に焦りを感じている。

 工場内にいる仲間は助けには来ないだろう。

 じわりじわりと足元から絶望感が全身を支配していき、生きている事が馬鹿馬鹿しく思えてきた。

 どうせ死ぬのに少し長く生き延びてなんになる。

 いっそ出て行って撃ちまくってやろうか──敵がそんな意識を過ぎらせた刹那、

「撃ち方止め」

 ベリルが攻撃を止めると、敵の男たちもいぶかしげに引鉄をゆるめた。