事前に避難を呼びかけようかとも考えたが当然、住人のなかに組織の一員がいるだろう。

 それでこちらの計画がばれてしまっては元の木阿弥だ。

 とにかく、工場の敷地外に被害を広げないように心がけつつ、作戦を遂行することで意見が一致した。

「そろそろ警備棟から出て来る頃だ。Eは一端、後退しトラックを盾に戦闘を続行」

<了解>

 ガソリンは入っていないようだが、丈夫なだけにいい盾になってくれている。

 向こうは血気盛んな輩が多いのか、銃撃の隙を縫って距離を詰めてくる。

 それを牽制しつつ応戦するが、それなりに肝の据わった連中が多いことに半ば感心した。

 警備棟には出入り口が二カ所あり、その一カ所からB班が侵入し建物内の敵を攪乱する。

 予想通り、もう一方の入り口からざっと数えて二十人ほどの敵が現れ銃撃は激しくなる。