「──っむ」

 時折、頬をかすめる銃弾に眉を寄せながらも構わずに力の限り左に引いていく。

 すると、門はゆっくりと車輪をきしませ開いていった。

「しまった!? 門が!」

 敵は門に向かって撃ちまくったが、あちこちから返ってくる銃弾にそれどころではなくなる。

 ワイトたちは敵が慌てている間に、ある程度まで開いた門に滑り込んだ。

「くそ! 退け!」

 それを見た敵が左の警備棟に駆け込んだ。

 それをベリルが逃すはずもなく、

「Bは警備棟へ」

<Cだ、倉庫に入る>

<Dだ。工場の裏手にいる。ここからの侵入は無理そうだ>

<E、工場の入り口は敵が多い。タンクを盾に現在交戦中>

 タンクの前は駐車場になっており、使われなくなった十屯トラックが数台並んでいた。

 銃撃戦が開始された途端、工場周辺の住人たちは逃げまどいながら一斉に避難を始める。