「そう……」

「大丈夫よママ! きっとすぐ犯人は捕まるわ」

 顔を伏せた母親を元気づけようとミーナが笑顔で発した。

 リサは頷いて娘を抱きしめる。

 娘に励まされていてどうするの、脅迫状は娘を狙っているというのに、自分がしっかりしなくては──抱きしめる腕に力がこもる。

「我々も出来る限りの事はしよう」

 ベリルの言葉にリサは少し笑顔を見せた。

 実際に話を聞き、ベリルはこの仕事を改めて正式に受ける事を了承する。

 ミーナを警護するため、今日から二人は泊まり込みむ。

 空いている部屋を借り、衣類などを調達しにベリルとダグラスは車に乗り込んだ。