まず狙撃手が監視カメラを破壊し、それを確認したワイトは立ち止まり大きな銃口の銃を前方に向けて引鉄(ひきがね)を引いた。

 射出されたそれは煙を細く引きながら、ゆっくりとした軌道を描き門の中に落ちる。

 途端に青い煙が立ちこめて周辺の視界を遮った。

 慌てたのは中にいる人間たちだ。

「おいっ!? なんだ!?」

「何も見えない!」

「敵はどこだ!?」

 向かってくる相手が見えないのでは攻撃のしようがなく、ベリルたちは敵が焦っている間に一気に間合いを詰める。

「散開」

 門の前にたどり着くと、ベリルの指示でまとまって駆けてきたA班とB班は中心にいるベリルを残して広がった。

「くっ、くそ!」

 見えないことへの恐怖からか、門の中の男たちは近づいてくる気配にライフルを撃ちまくった。

 ベリルは放たれる銃弾に気を配りつつ、閉じられている門に手をかける。