「あなた、どういう教育してるの?」
ピックアップトラックの荷台に荷物を積み込んでいるベリルにスーザンが腹立たしげに発した。
「何の話だ」
「大人をからかって──」
「もう子どもではないよ」
荷台に背中を預けて腕を組むその様子に喉から笑みを絞り出し、作業を続けながら言い放った。
「あなたに比べればヒヨッコでしょ」
「誰とも比べられるものではない」
皮肉混じりの言葉には反応を示さず、彼女にタクティカルベストを手渡した。
「は、あなたらしい回答ね」
スーザンはベストを受け取り乱暴に後部座席に乗り込む。
ここからカトはそう遠くない。
決行の時間の十時には余裕で到着する距離だ。
それぞれジープやピックアップトラックに乗り込み移動を開始した。



