クラウ・ソラスの輝き

「どしたの?」

 ダグラスはスーザンが珍しそうに見回している事に小首をかしげた。

「傭兵だけの戦闘って初めてだから」

 ダグラスは、ああ……。と小さく声をあげる。

「まあ、俺たちとしては気楽だよ。やっぱ軍人さんと一緒だと険悪になることもあるし」

 街の警察とFBIが仲が悪いのといっしょと肩をすくめて皮肉混じりに発し、スーザンにずいと顔を近づける。

「なに?」

 ただでさえ整った面持ちなのに、無邪気な笑みが息がかかるほどの距離に迫りスーザンは思わずドキリとした。

「ホントにコンタクトだったんだ」

 ニッと口角を吊り上げるダグラスにハッとする。からかわれたと知ってむくれたスーザンにしれっとウインクをした。

「後ろから撃たれるなんて止めてよね」

「私は敵じゃないわ」

 ひょいと手を上げて遠ざかるダグラスの背中に眉を寄せ、大きくなりつつあるその後ろ姿をしばらく見つめていた。