クラウ・ソラスの輝き

「誘惑だなんて人聞きの悪い」

「だったらそのコンタクトを外して喋ってくれんか」

「コンタクト?」

「じゃあまたね」

 スーザンは眉を寄せているダグラスを一瞥すると、そそくさと立ち去った。

「今のどういう意味?」

 遠ざかるスーザンの後ろ姿を見送り、いぷかしげにベリルに問いかけた。

「誘惑する時に使うコンタクトがあるんだよ」

 言いながら目を示す。

 潤んで見えるように作られているらしい。

「……くそ~」

「セシエルも女性には弱かったよ」

 悔しそうなダグラスに呆れながら告げた。

「父さんも?」

 そういえば、ベリルと出会ったのも勘違いした依頼からって聞いたけど。

 その依頼主が女性だったのか……。

 こんな遺伝、嫌だなぁ。