*思う処



 ベリルはもちろん、彼らの思惑をよく理解していて彼女の言葉にはほとんど応えなかった。

 今までも同じような事が何度かあったんだろうなとダグラスは薄笑いでスーザンを見つめる。

 ベリルの先を見通すことは難しく、多様性に富んだ動きはとても真似が出来ない。

 その戦闘センスをデータ化したがる人間は大勢いるだろう。なにせ依頼成功率が異様に高い。

 よしんばデータ化出来たとして、ベリルならさらにそのうえを行くのではないだろうか。

 ベリルは常に自分には厳しく、己の可能性というものを追求し続けている。

 あの動きを更新するなんていうのは、不可能に近いんじゃないかなと考える。

 人の命がかかった物事には、瞬時の決断が多く存在する。