「こういうところが大事なの」

 言い聞かせるように応えたダグラスにスーザンは苦笑いを浮かべ、なんの反応も示さずに作業を続けるベリルに目を移した。

「十個ずつに分けてるの? どうして?」

「チームごとに分けてるんだよ」

 ダグラスが代わりに応えるとスーザンが少しムッとしたような顔をした。

 ベリルの分析なんかさせてたまるもんかと、軽く睨み付けるスーザンにニコリと微笑む。

 彼女がベリルに近寄るのは、その能力を詳しく分析してそれを自分たちに活かせないかと考えているからだ。

 CIAは自国の利益優先で動く組織である。

 それが正義か悪かなど関係無い。

 本当はベリル自身を取り込みたいって感情が見え見えなんだよとダグラスは笑顔の下で攻撃的な念を送っていた。