クラウ・ソラスの輝き

「足下を気にする必要があまり無い場所だが高い障害物が多い。トラップには気をつけろ」

 言って、カトの上空を映している写真の一角に指を当てる。

 そしてもう一枚の写真を取り出した。

 前にいる傭兵たちはそれに身を乗り出し地図を見やる。

 サン・ディエゴアルトから北にあるカノという町にシャイニー・ブレイドの本拠地がある。

 さほど大きくは無い町だ。

 映っているのは広い敷地にある溶接工場らしく、上空写真からでも稼働を止めてかなり経っている事が窺えた。

「廃工場とは奴らも考えたもんだな」

 ワイトが感心するように発した。

「地下組織の常套(じょうとう)手段だろ? なんで今までここが見つけられなかったんだ」

 細く一重の草色の瞳と赤毛が印象的な、四十代近く見える顔つきのヨアヒムがベリルに怪訝な表情を向ける。