「見ている暇なんてあるのかしらね」

 ちくりと刺して離れていく背中を見つめ、ダグラスは苦笑いで頭をかいた。

 ──十数分後、ベリルは空き地を借りてそこに仲間を集めた。

 簡易テントが張られ、折りたたみのテーブルが置かれている。

 そこに、ノートパソコンと引き延ばした数枚の衛星写真が乗せられた。

 ベリルは仲間たちを一瞥し、落ち着いた事を確認すると口を開く。

「集まってくれて感謝する。経験を重ねた者たちを集めてはいるが油断無きよう、無駄な傷つけ合いも私は望まない。速やかに指示に従い、行動するように」

 その言葉に皆が一斉にひと声を上げる。

 ベリルは小さく頷き、テーブルの上の衛星写真に目を移して続けた。