クラウ・ソラスの輝き

 こちらの動きはすでに相手には気付かれているだろう。

 それなら堂々と踏み込むまでだ。

「ベリル!」

 雑多の人混みのなか、ベリルを呼ぶ声に振り返ると、男が手を挙げて笑顔で駆け寄る姿が見えた。

「ワイトか」

「久しぶりだな」

 硬い黒髪と漆黒の瞳、無骨な顔立ちの大柄な男はベリルを見下ろして懐かしい目を向けた。

 どうやら今回の作戦に参加する仲間の一人らしい。

 その大きな手を差し出して握手を交わす。

「何年ぶりだ? 相変わらずお前は変わらんなぁ」

 ワハハと三十代後半の男は外見に見合った笑い声を発した。

「他の奴もちゃんと来てるぜ」