クラウ・ソラスの輝き

 ダグラスはむせかえるような大気に木々の葉から覗く空を仰ぐ。

 刻一刻と「そのとき」が迫っている事を告げるように、隙間から見える空は揺らいでいた。



 ローランドとのそんなやり取りを繰り返し、ダグラスは十八歳となる。

 今でも時折ミーナからスマートフォンにメールが届く。

 ほんの二年前の出来事なのに、酷く昔の事のようにダグラスは感じた。

 それほどにめまぐるしく彼の周りは変化を遂げていた。

 子どもだった時代は終りを告げ、成人としてベリルの弟子である事を再認識させられた。

 今では立派に彼のサブリーダーとして勤めを果たし、信頼度を上げている。