ローランドとの接触は大抵は戦闘の最中で、お互いが残していったアイテムの中に忍ばせるという方法だ。

 古典的だが、渡されたものを破棄さえすれば誰にも辿られる事がない最良の方法でもある。

 南米のジャグル地帯──ここにあった麻薬密売組織を叩いた時にローランドが現れた。

「いくらなんでもこれは無いよねぇ」

 薄笑いのダグラスにベリルも苦笑いで応える。

 ベリルの左太ももには、ボウガンの矢が深々と突き刺さっていた。

 ダグラスは持っていた小型のワイヤーカッターで羽の部分の軸をバチンと切り落とし、矢の先端を掴んでベリルに目で合図し思い切って引き抜いた。