「いいわ。一週間ほど待って」

「随分と長いんだね」

「いくら彼とはいえ、一介の傭兵に頼むのよ? 説得には時間がかかるわ」

 スーザンは上司と話し合うために依頼はひとまず保留という事にし、ミニクーパーに乗り込む。

「来ると思う?」

 走り去る車を眺めてベリルに問いかける。

「来るだろうね」

 全てを悟った物言いに、大きな戦いがいずれ訪れる事をダグラスは予感した。



 ──それからしばらくは大学生活を満喫し、その合間をぬってベリルの仕事にも参加していた。

 スーザンからの返事は二週間もかかってようやく国からの正式な依頼となった。