しかし、その件でフリーの傭兵であるベリルに協力を仰ぐのには他にも魂胆があるとしか思えない。

 以前からCIAはベリルに関するデータを欲しがっているからだ。

 ベリルという存在を煙たく感じつつも、その巧みな戦術や飛び抜けた戦闘力にはいちもくを置いている。

 敵にするには少々、厄介だが味方にするにも油断ならない。

 しかれど取り込めるのなら取り込みたい。

 CIAにとって、そういった距離にベリルはいるのだろう。

 当然、ベリルとしてもCIAを信用するほど馬鹿じゃない。

 かといって彼らが持ち込む全てを拒否するほどひねくれてもいない。

 互いの思惑はさておき、内容如何によって協力要請に応じる事が最優先だ。

 冷静に判断しなければ、己がなんのためにこの世界にいるのかを見失う。

 重要なのは救えるものがあるかどうか。

 それを重視しなくてはならない。