クラウ・ソラスの輝き

「彼を追ってほしいの」

「ほう」

 ベリルが目を細めて見つめている画像はローランドだ。

「彼とは何度か闘ったことがあるんでしょう?」

「うむ」

「あなたとタイマン張って生き残っている人間は少ないもの。割と有名よ」

 肩をすくめたあと、若く見える顔立ちに険しい表情を浮かべる。

「彼の動きを探ってほしいの。出来るなら接触も」

 スーザンの言葉を聞きながらローランドのデータを送っていく。

「なんでベリルに?」

 何も返さないベリルに代わってダグラスが問いかけた。

「あなたは色んな意味で目立つ存在だけど、依頼の成功率は百パーセントに近い。ローランドは抜け目のない相手よ。だから確実な手応えが欲しいの」

「このローランドって人を探ったら何があるの?」

「彼は七年ほど前から名の知れた傭兵なの。不死身のセルテスと呼ばれているわ」

 彼のフルネームはローランド・H・セルテス。アメリカ人だ。