クラウ・ソラスの輝き

 この先、よほどの事がない限り手助けをするつもりはない。

 いつまでも子どものままではいられないのだ。

 ダグラスもそれを充分に理解している。

 季節は十月、オーストラリアは雨期の始まりを迎えていた。

 むしむしする湿気のなか珍しく晴れた今日、ダグラスは買い物に出かけていた。

「ただいまぁ~」

 沢山の荷物を抱えていたダグラスは、リビングに入るなり持っていた紙バッグをドカッと床に投げ置いて足早に冷蔵庫に向かった。

「おかえり」

「──っぷは~。生き返る」

 ベリルの作ったウーロン茶をラッパ飲みし溜息を吐き出した。

「お疲れさん」

 リビングでノートパソコンを眺めていたベリルは小さく笑って応えた。

 調子に乗って服も何着か購入したのだろうと紙バッグを一瞥する。