クラウ・ソラスの輝き

 考えたら、今日ゆっくり聞けばよかったんだよな。

 早く聞きたいものだから焦ってまた質問攻めにしてしまった。

 反省しつつサンドイッチをつまんだ。



 ──それから数ヶ月が経ち、十七歳になったダグラスは晴れてハイスクールを卒業した。

 その間にベリルは一度、麻薬組織壊滅に動き見事に成功させる。

 留守番をしていたダグラスは、もちろん質問攻めにしてその話に聞き入った。

 単なる好奇心で聞いている訳じゃない。

 他人の話からも自分の力として吸収するものがあるからだ。

<大学はどこに?>

「近くの大学に通うそうだ」

 ベリルはダグラスがいたクラスの担任だったレイチェルからの電話をリビングでくつろぎながら受けている。

<寮には?>

「いや」

 自由の利かない寮になどダグラスはもとより入る気はなく、ベリルが提案する前に「入らないからね」と答えていた。