「死者はゼロ。重傷者は相手に一名。全員、警察に引き渡したよ」

「どんな作戦だったの? 相手はどんな火器使ってきた? 手強い奴はいた?」

 機関銃のようにベリルを質問攻めにした。

 彼はそれに嫌な顔もせず一つ一つゆっくりと答えていく。

 ベリルが帰ってきた日はそれだけで終ってしまう。

「あ、そうだ」

 ひと通り答え終え、ブランデーを取りにキッチンに向かうベリルにふと思いついて横に並んだ。

「ほら」

「ほう?」

 ベリルは同じ目の高さになった少年に感心したような声をあげる。

「人の成長とは速いものだな」

 さすが成長期だ、ダグラスの身長はこの二週間でベリルと同じ百七十四センチに到達していた。