「お?」

 ダグラスは、庭から見えるガレージにシャッターを動かした形跡があることを確認する。

 帰ってきていると喜び勇んで全自動ガレージを横目に玄関のドアノブを掴んだ。

「おっと! 鍵、鍵」

 オートロックだったと急いで鍵を取り出し鍵穴にキーを詰めて回した。

「ただいま~」

「おかえり」

 荒い息を整えリビングに足を向けると、聞き慣れた声が帰ってきてホッとする。

「あとで聞かせてよ!」

 言って階段を駆け上がり荷物をベッドに投げ置きその勢いのまま階段を駆け下りて、リビングに投げるように体を滑り込ませた。

「慌てるな」

 ベリルは二つのティカップをリビングテーブルに乗せソファに腰を落とす。

「どうだったの!?」

 ダグラスは優雅に紅茶を傾けているベリルの後ろで背もたれに両手を乗せ、早く聞きたいと急かすように問いかけた。