課外授業でベリルに弁当を作ってもらった事があったが、クラスメイトたちはその中身に感嘆した。

 ダグラスにとっては日常の延長であるものは他者にとってそうでもないんだなと実感した出来事だ。

 おかげで、ほとんどをクラスメイトに食べられてしまいとても残念だった。

 代わりにピーナッツバターサンドを押しつけられる方の身にもなってほしい。

 ベリルはそれを予想していたのか、ついでに夕飯にも使おうかと考えていたのかは解らないけれど、弁当の残りが家にあったからどうにか味わう事は出来た。

 ベリルは不死でお腹を空かせることが無く、一人のときはもっぱらお酒がメインで味わう程度しか作らない。

 いくら飲んでも酔うことがないらしいけれど、やっぱりお酒もたしなむ程度にしているそうだ。

 そんなことを考えながら早く授業が終らないものかとそわそわした。

「よし! 帰宅!」

 授業の終わりを告げるチャイムが鳴った途端に立ち上がり、スポーツバッグを背負って転がるように教室から駆け出した。