どこまでが真剣で、どこまでがふざけているのかもまったくもって掴めない。

 とにかく、もうすぐベリルが帰ってくるのだ。

 少年は待ち遠しくて仕方がなかった。

「鬼の居ぬ間に……」と世間では言うものの、ダグラスにとっては退屈きわまりない。

 教わりたいことは山ほどあるのに、その当人がいないのでは独学では限界がある。

 この国において子供を一人にさせることは罰則対象となる危険がある。

 ダグラスはある種、特別措置として近隣住民が面倒を見るといった形が取られていた。

 所在は常に誰かには知らせておくというものだ。

 面倒ではあるが、ベリル以外に世話をされる方がダグラスにとっては面倒でしかない。

 予定では今日の午後、想定外のことがなければ家に帰る頃にはいるはずだ。

 ダグラスはトーストをくわえて学校に向かった。

 この学校には学食があるため、昼食はそこで食べることにしている。