クラウ・ソラスの輝き

 以前、浅く座ってだらしなく背もたれにもたれかかっていたらベリルに頭を殴られた事がある。

 浅く座る事は腰に大きな負担をかけてしまうらしく、

「最後まで自分の足で歩きたいなら浅く座るな」と言われた。

 深く座るか寝ころべ。

 それがこの家に来て初めてベリルにしかられた事だった。

「お?」

 そうこうしている間に玄関の呼び鈴が鳴り出迎えると、ハリーがポテトチップスの袋をダグラスに手渡した。

「はい、手みやげ」

「サンキュ」

 ハリーをリビングに促し、飲み物を取りに冷蔵庫に向かう。

 グラスに炭酸飲料を注いでハリーに差し出した。

「サンキュ。お、美味そう」

 ジュースを飲み目の前にあるクッキーに目が留まる。