──いつものように授業を終えると、
「おーいダグ!」
「よう」
校舎を出た所でハリーに呼び止められる。
嬉しそうに駆け寄ってきたハリーがダグラスの肩に腕を回した。
「なあ、おまえんちに行っていいか?」
「いいけど、ベリルいないよ」
それにハリーは快活な声をあげて笑った。
「違うって! ──って出張?」
確かベリルさんって傭兵だよな?
いないっていうことは~と、ハリーはごくりと生唾を呑み込んだ。
「うん。組織を潰しに行った」
しれっと発したダグラスに眉を寄せる。
彼にとっては日常的なものなのだろうか。
自分ならこんなに落ち着いていられない。



