クラウ・ソラスの輝き

 このいたちごっこはいつまで続くのだろうか──ハンドルを握り苦笑いを浮かべる。

 人は弱い、いつ暗闇にその足を浸してしまうか解らない。

 しかし、その弱さは強さをも生み出す。

 時として考えられない力を絞り出す。

 ベリルはその可能性を信じているのかもしれない。

 ベリルが戦い続ける理由を考えるとき、ダグラスはいつもそこにたどり着く。

 人間はきっと、終わりがあるから頑張れるんだ。

 けれどベリルには果てがない。

 それでも続けていられるベリルがダグラスには不思議でならなかった。