「へ?」

 連ねられた料理にレイチェルは目を丸くする。

「父さんは料理得意なんだ」

 しれっと応えるダグラスに唖然としベリルを見つめる。

「お料理、得意なんですか」

 ほとんど母に任せきりにしているレイチェルは、自分が作った料理を頭の中で思い浮かべた。

「炊事、洗濯、掃除も完璧」

 ベリルは指折り数えて説明するダグラスに眉を寄せ軽く睨みつけた。

 彼女の反応を楽しんでいるのが丸わかりだ。

 誰に似たのか、ダグラスはこういう地味な意地悪を楽しむ傾向がある。