「いいや」

「いないの!?」

 帰ってきた言葉に嬉しくて思わず声が裏返る。

「ハッ!? ごめんなさい」

 おそらく驚いているような表情をしているベリルにハッとして、私にもチャンスがあると心の中でガッツポーズした。

「こんな仕事をしているのでね」

 彼女の思惑などまるで気付かないベリルは柔らかな笑みを浮かべる。