クラウ・ソラスの輝き

「ただいま~」

「お邪魔します」

 レイチェルは綺麗に掃除されている玄関と廊下を見回しダグラスを追う。

 大抵の国では靴のまま家に入る。

 日本のように靴を脱ぐ国の方が少ないといっていい。

 入り口からすぐにある上に続く階段を右の視界に捉えて通り過ぎ、左に見える開かれたドアをくぐった。

 整えられたリビングに目を丸くしていると、そこから続く左のダイニングルームからベリルが歩いてくるのが見えて思わず体を強ばらせた。

「ようこそ」

「ど、どうも」

 相変わらずの上品な物腰に見惚れながらもソファに促され大人しく一人掛けの方に腰を落とした。

「あ、おかまいなく」

 ティカップが差し出され少し離れてお茶請けが置かれた。

 それを確認したダグラスは階段に向かい、自分の部屋にバッグを置いてすぐにリビングに降りる。