クラウ・ソラスの輝き

「みんな青春してるな~って」

「なんだそれは」

 当惑しながらジュースの瓶をテーブルに乗せると、少年は礼を言ってグラスに注ぐ。

「だって普通に悩んでるなんてさ~」

「そういうものだ」

「じゃあ、ベリルは普通に青春してた記憶あるの?」

 キッチンに戻ろうとしたベリルはその問いかけにピタリと動きを止める。

 記憶を辿るような仕草をしたのち、

「今日はチキンシチューだ」

 しれっと発してキッチンに向かった。

 そんなベリルの背中に目を据わらせる。

「無かったんだな……」

 ソファの背もたれに腕と頭を乗せてぼそりとつぶやく。

 ベリルが悩んでいる姿など想像すら出来ないのは確かだ。