クラウ・ソラスの輝き

 突然、たった一人で何も知らない社会に立たされる。

 それは、数センチ先まで真っ暗な空間に立たされているような、言いようのない恐怖だ。

「時としてそうではない場合もあるが、逃げる事は容易い。もちろん逃げる事が悪い訳ではない。立ち向かわねばならない時を冷静に見極める事が重要だ」

「はい」

「自由には責任が伴うが、それを一人で背負う必要はない。必ず助けとなる者が見つかるだろう」

 それは、友であったり親であったり。

 あるいは、それまでまったく関係のなかった者かもしれない。

 助けを求める事は恥ではない。

 助け合えるからこそ、そうして人は前に進む事が出来る。

「一人で生きている者などおらんよ」

 お前もまた、誰かの助けになれるように自身を磨くと良い。

「は、はい!」

 ベリルの柔らかな微笑みにハリーは胸のつかえが取れたような気がした。