「高そうなケーキだな。いつもこんなの食べてるの?」

「ベリルの手作りだよ」

「ええっ!?」

 傭兵なのに何このお店のケーキみたいなの!? ハリーはますます傭兵だという事が信じられなかった。

 しかし、その腕を見れば鍛えられている事が解る。

 緩やかな服で体の筋肉までは見えないものの、気品すらも漂わせる動きの中にある独特の雰囲気が自分たちとは異なるのだと感じさせた。

 ケーキに改めて目をやる。クリームチーズを少し加えたスポンジに、甘すぎない生クリームが上品にデコレートされている。

 そしてその上には、ブルーベリーやラズベリーが綺麗に乗せられていた。

 見た目だけでなく味も最高で、このケーキだけでも来た甲斐があるとハリーは顔をほころばせた。